目次
1. 香典とは何か(意味と役割)
香典は、故人を偲び、遺族へのお悔やみの気持ちを金銭で表すものです。
もともとは香(こう)やお供え物を贈る習慣から始まり、現代では金銭で供える形が一般的になりました。
弔意を示すと同時に、葬儀にかかる費用を支える意味もあります。
東京近郊でも、家族葬が増えてもなお、香典は多くの場面で大切な儀礼として続いています。
2. 香典袋の選び方
香典袋は宗教や宗派によって表書きやデザインが異なります。迷った場合は、蓮の花が描かれていない白無地の袋に「御霊前」と書くとほぼどの宗教でも使えます。
- 仏式
- 四十九日まで:「御霊前」
- 四十九日以降:「御仏前」
- 浄土真宗は亡くなった直後から「御仏前」
- 蓮の花柄は仏式専用
- 神式(神道)
- 「御玉串料」「御神前」など
- 蓮の花柄は使わない
- キリスト教式
- 「御花料」や「御ミサ料」
- 水引なしの封筒型も可
3. 表書き・氏名・中袋の書き方
- 表書き:薄墨の筆ペンで書く(哀悼の意を表す)
- 氏名:フルネームで記入。連名の場合は右から目上の人を先に。
- 中袋:住所・氏名・金額を明記(数字は旧字体で「壱」「弐」「参」など)。
4. お札の入れ方
- 新札は避け、使用感のあるお札を用意する。
- 新札しかない場合は、あらかじめ軽く折って包む。
- 肖像のある面を中袋の裏側に向け、上下を揃える。
5. 香典の金額相場(東京近郊の場合)
香典の額は、故人との関係性・地域性・自分の年齢によって変わります。東京近郊の目安は以下の通りです。
故人との関係 | 相場の目安 |
両親 | 3万〜10万円 |
兄弟姉妹 | 3万〜5万円 |
祖父母 | 1万〜3万円 |
友人・知人 | 5千〜1万円 |
会社関係 | 5千〜1万円 |
※年齢が上がるにつれて相場はやや高くなる傾向があります。
6. まとめ(包む側として押さえておきたいポイント)
香典は、金額やマナーの細部よりも、まずは故人と遺族を思う気持ちが大切です。
ただし、袋の選び方や書き方、金額相場を押さえておけば、突然の訃報にも落ち着いて対応できます。
次回は、香典返しと返礼品の選び方について、主催側の視点から詳しくご紹介します。