近年、通夜に参加したことがない人が増えています
かつては、親戚やご近所、仕事関係の知人が集まり、通夜に参列するのが一般的でした。「通夜だけでも伺います」といった言葉に見られるように、通夜は社会的なつながりを持つ人々が故人と最後の別れを交わす、いわば第一の儀式でした。
しかし最近では、「通夜に参加したことがない」という方も増えています。その背景には、家族葬の増加や、人間関係の変化による参列者の限定化があります。コロナ禍をきっかけに、親族だけで静かに見送る葬儀が広がり、知人や仕事関係の方が通夜に出る機会は減ってきています。
その一方で、通夜の意味や価値そのものに対する理解が薄れがちになっているのも事実です。
通夜の意味と由来を知る
「通夜（つや）」とは、亡くなられた方のそばで一晩中過ごすことに由来しています。昔は、夜を徹して線香の火を絶やさず、遺族や近親者が故人の魂を見守る風習がありました。
現在では、僧侶の読経や焼香などを通じて、故人を悼む場となっています。時間は夕方以降に行われることが多く、仕事帰りに参列できるように配慮されている場合もあります。
宗教的な意味としては、仏教では通夜が「旅立ちの準備」、つまり成仏を願う祈りの場とされてきました。現在の形式は簡略化されていますが、「故人と過ごす最後の夜のひととき」という意味合いは、今も変わりません。
通夜と告別式の違いとは？
通夜は、亡くなられた方と向き合う時間であり、静かに思いを馳せる場です。
一方、告別式は通夜の翌日に行われ、葬儀の本体とされる儀式です。
かつては、通夜に知人・会社関係の方々が多く参列することもありましたが、最近では家族葬が主流となり、どちらの儀式も近親者中心で行われるケースがほとんどです。
| 項目 | 通夜 | 告別式 |
| 実施日 | 告別式の前日 | 遺族・宗教者の都合、葬祭場の空き具合によって決まる |
| 役割 | 故人と最後の夜を過ごす生前の故人の人柄、活動にあわせたお別れ | 宗教儀礼・火葬を含む正式な見送り |
| 参列者 | 親族、親しい間柄の方訃報を聞いて駆けつける知人、仕事関係の方 | 親族・親しい間柄の方 |
通夜の基本情報 ― どのように行われるのか？
通夜に参加したことがない方にとって、「実際にはどのような場なのか」はわかりにくいかもしれません。ここでは、基本的な流れやポイントを簡単にご紹介します。
会場
東京の場合、通夜は斎場や葬儀会館で行われることが多いです。寺院の本堂や、スペースがあればご自宅で行われることもあります。
時間帯と所要時間
開始時間は18時〜19時頃が多く、読経や焼香は短時間で終わることが多いです。その後、ご家族が交代で見守ったり、最後のお別れの時間を静かに過ごされます。
参列者
現在は、ご家族・ご親族やごく親しい知人に限られることが多いです。
もちろん、それ以外の方（例えば友人・ご近所の方・会社関係など）の参列の場としての役割が通夜にはあります。
次回「家族葬における通夜のかたち」
次回は、実際に家族葬を行う場合の「通夜」のかたちについてお伝えします。
- 家族だけで通夜をするとはどういうことか？
- 昔ながらの通夜との違いは？
- 簡素でも、心のこもった通夜とは？
現代の家族葬における「通夜」の姿について、具体的な事例やマナーも交えてご紹介します。
想親メモリアルでは
想親メモリアルでは、通夜・告別式を含めた家族葬を丁寧にサポートしています。
「通夜を行うべきか迷っている」「小さくても心を込めた通夜にしたい」といったご相談も、ぜひお聞かせください。
ご家族にとって無理のない、自然なお見送りのかたちをご提案いたします。
