「家族葬」や「一日葬」という言葉を見聞きすることが増えました。いずれも“少人数で行う葬儀”というイメージがありますが、実はこの2つ、まったく異なる分類軸に基づく言葉です。
ところが、近年では「家族葬=一日葬」と混同されるケースも多く、葬儀の相談時に誤解が生じることも少なくありません。
本記事では、この2つの言葉の本来の意味と、なぜ誤解されやすいのかについてわかりやすく解説します。
家族葬とは「誰が参列するか」に注目した言葉
家族葬とは、親しいご家族やご親族など、限られた方のみで行う葬儀のことを指します。
これは、葬儀に誰を呼ぶか=参列者の構成に基づいた分類です。
▼ 家族葬の特徴
- 主に親族のみ、一般参列希望者にはご遠慮いただく
- 比較的小規模な会場で実施される
- 家族のペースで静かに送れることが多い
つまり、「どんな形式の葬儀か」ではなく、誰が参列するかに焦点を当てた呼び方なのです。
一日葬とは「どう進行するか」に注目した言葉
一方で一日葬とは、通夜を行わず、告別式と火葬のみを1日で執り行う葬儀形式を指します。
こちらは、葬儀の進行スタイル=式の形式に基づいた言葉です。
▼ 一日葬の特徴
- 通夜は行わず、告別式と火葬を1日で完結
- 高齢のご家族にも負担が少ない
- 遠方からの参列者にも配慮しやすい(宿泊など)
つまり、「誰が参列するか」ではなく、どのような流れで進めるかに着目したスタイルの名称です。
「家族葬=一日葬」ではない理由
ここまででお分かりの通り、家族葬と一日葬は、まったく別の視点からの分類です。
項目 | 家族葬 | 一日葬 |
分類の視点 | 参列者の構成 | 式の形式(日数) |
意味する内容 | どんな人が参列するか | どのように式を進行するか |
宗教的な定義 | 特にない(業界内用語) | 同上(便宜的な呼称) |
▼ よくある誤解
- 「少人数=一日葬」と思い込んでしまう
- 「家族葬だから簡単に終わるもの」と勘違いしてしまう
ですが、家族葬であっても、通夜・告別式・火葬のすべてを行うことは可能ですし、逆に一般葬を一日葬の形式で行うこともできます。
なぜ誤解されやすいのか?
「家族葬」も「一日葬」も、宗教儀礼や法律に基づく正式な言葉ではありません。
いずれも業界内や利用者側のニーズに応じて生まれた“現代の便宜的な呼び方”にすぎません。
▼ 誤解の背景
- 業界のパンフレットや広告で曖昧な使われ方をされてきた
- 言葉のイメージ(少人数・簡素)だけが一人歩きしている
- 葬儀経験がない方にはニュアンスが伝わりづらい
家族葬を“一日葬の形式”で行うことは可能
「家族葬を一日葬で行う」といった言い方は、混乱を招くようにも見えますが、実際にはよくある組み合わせです。
例えば、
- ご家族・ご親族のみで、
- 通夜を省き、1日で告別式と火葬を行う
このような形態は、「家族葬(参列者)」+「一日葬(形式)」のミックスと考えることができます。
想親メモリアルでは、言葉の意味からていねいにご説明いたします
初めて葬儀を手配される方にとっては、「家族葬と一日葬、どう違うのか?」という点で戸惑うことも多いかと思います。
想親メモリアルでは、表面的な言葉にとらわれず、ご家族の事情やご希望をていねいにお伺いしたうえで最適なご提案をさせていただきます。
